光入力/失敗

大気がない

ぼくのなかに家がある
そこではどこかの家族が
犬といっしょに暮らしている
ぼくの気のせいでなければ
たった今、犬が亡くなった

ひとつの箱へ
ぼくはぼくを捨てる

拾ってください。

どこかの家族へ
拾われる

家のなか
しんだはずの犬がいる
かなしいことに
どうやらぼくは
かわりの犬であるらしい

朝、餌もられた皿かたずけて
ふくらんだ腹でまた眠る
起きて床なめる
吠える

家族きえた
餌だけ残してきえた

ぼくはぼくのために
かわりの家族
拾ってくる